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性質および化学反応単体は銀白色の金属元素であるが、空気中で速やかに酸化され、酸化皮膜による内部の保護はなく、酸化は内部まで進行する。熱水と反応すると二酸化ウランおよび水素化物の混合物を生成する。200℃程度の水蒸気は金属ウランと非常に激しく反応し、酸化物および水素化物の混合物となる。希塩酸に速やかに溶解し、水素化物を含む黒色残渣を残す。水溶液中では6価のウラニルイオンUO22+が安定である。3価の陽イオンは酸化されやすく4価に変化しやすい。
![]() ![]() 自然界における存在ウランはマントルを形成する橄欖岩および地殻下層部の玄武岩などのような苦鉄質岩石に取り込まれにくいため、トリウムおよび希土類と同様に地球表層部の花崗岩に集中して濃縮されているものと考えれれる。隕石中のウランおよびトリウムの含有量が、地球表面の岩石中よりもはるかに低いことがこのことを示唆している。 天然に存在する同位体のうち234Uは、238Uの中間壊変生成物として定常的に存在するものである。
工業的用途天然ウラン中に0.72%含まれている235Uは核分裂を起こし、1グラムの235Uの放出するエネルギーは石炭約2トンの燃焼熱に相当するため、核燃料として用いられる。天然ウラン中の235Uの同位体比では連鎖反応を起こすだけの充分な中性子密度が得られないため、235U同位体比を3%程度に高めた濃縮ウランが原子力発電用の核燃料として用いられる。天然ウランの大部分を占める238Uは原子炉内でほとんど核分裂しない。 ウランの濃縮は、加熱により昇華させた六フッ化ウランの蒸気を高速で回転させ、分子量の違いによる拡散速度の違いにより同位体分離を行う。濃縮ウラン製造と同時に235U濃度の低い劣化ウランが大量に生成し、この廃物利用として鉄板をも貫通する劣化ウラン弾が造られ、1991年の湾岸戦争で用いられた。現在でも劣化ウラン弾が使用されたイラクの各地で放射能汚染が問題となっている。 主な化合物
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1s22s22p63s23p63d104s24p64d104f145s25p65d105f36s26p66d17s2 [Rn]5f36d17s2 | ||
230.033939784 |
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231.036293704 |
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232.037156152 |
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233.039635207 |
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234.040952088 |
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235.043929918 |
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236.045568006 |
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237.048730184 |
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238.050788247 |
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239.054293299 |
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240.056591988 |