性質および化学反応

　銀灰色のもろい結晶性固体で、非金属に分類されているが半導体としての性質を示すが、セレンよりも金属性が強くなり電導性もはるかに高い。濃硝酸および熱濃硫酸により酸化されて二酸化テルルを生成する。２価の陰イオンは不安定で極めて酸化されやすい。

テルルの単体

自然界における存在

　硫化鉱物中に含まれ、銅の電解精錬の際、陽極泥から回収される。金や銀などとの化合物として産出することもある。単体の自然テルルも存在する。

工業的用途

　テルル、セレンおよびビスマスからなる半導体と金属を組み合わせると、温度差から起電力を生じるゼーベック効果および、電圧をかけると温度差を生じるペルチエ効果を示すため、騒音が少なく微妙な温度調整の可能な冷蔵庫のペルチエ素子として用いられる。

主な化合物

化合物中のテルルの酸化数には-2, +4, +6などが存在する。

H₂Te	テルル化水素	Hydrogen Telluride
TeO₂	二酸化テルル	Tellurium Dioxide
H₆TeO₆	テルル酸	Telluric Acid

電子配置	1s²2s²2p⁶3s²3p⁶3d¹⁰4s²4p⁶4d¹⁰5s²5p⁴ [Kr]4d¹⁰5s²5p⁴
第一イオン化エネルギー	869.3 kJ/mol	9.009 eV
電子親和力	190.16 kJ/mol	1.9708 eV

密度	6.24 g/cm³ (20℃)
結晶格子	六方格子( )　a=4.457Å, c=5.9268Å
熱容量Cp（比熱）25℃	25.73 J/mol K (0.0482 cal/g K)
融点	449.8℃
沸点	991℃

地殻中存在比	0.01 ppm
海水中存在比	ppb
大気中存在比	-
宇宙存在比(Si=10⁶)	4.81

同位体
核種	相対質量	スピンパリティー	半減期	天然存在比	壊変
¹¹⁸Te	117.905827581	0⁺	6.00 d	-	EC
¹²⁰Te	119.904020222	0⁺	stable	0.09％	-
¹²²Te	121.903043898	0⁺	stable	2.55％	-
¹²³Te	122.904270029	1/2⁺	＞6×10¹⁴ yr	0.89％	EC
¹²⁴Te	123.902817896	0⁺	stable	4.74％	-
¹²⁵Te	124.904430731	1/2⁺	stable	7.07％	-
¹²⁶Te	125.903311696	0⁺	stable	18.84％	-
¹²⁸Te	127.904463056	0⁺	7.7×10²⁴ yr	31.74％	2β^-
¹³⁰Te	129.906224399	0⁺	2.7×10²¹ yr	34.08％	2β^-
¹³²Te	131.90855316	0⁺	3.204 d	-	β^-

Te

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