性質および化学反応
銀白色の金属元素で白金族元素の中では最もイオン化電位が低く、王水と反応し、濃硝酸とも徐々に反応する。白金族元素は水素を吸蔵し触媒としてはたらくものが多いが、パラジウムは水素の吸蔵量が特に多く80℃, 1 atmのとき体積の約900倍の水素を吸蔵し、加熱により再び水素を放出する。
パラジウムの単体
自然界における存在
常に他の白金族元素に伴っており、白金製錬の際、副産物として取り出される。
工業的用途
貴金属として宝飾品用に合金成分として、またメッキ用に用いられる。水素を吸蔵し触媒作用を示すことから、燃料電池の電極および水素吸蔵タンクとしての用途が考えられている。水素ガスのみを吸蔵し放出することからパラジウム金属膜は水素ガス精製のために用いられる。
主な化合物
化合物中ではパラジウム原子の酸化数は+2,+4をとることが多い。
K2[PdCl6] |
ヘキサクロロパラジウム(Ⅳ)酸カリウム |
Potassium Hexachloropalladate(Ⅳ) |
[Pd3(CH3COO)6] |
酢酸パラジウム(Ⅱ) |
Palladium(Ⅱ) Acetate |
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