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性質および化学反応空気中で徐々に酸化され、表面は青灰色の酸化物皮膜で覆われ、湿った空気中では塩基性炭酸鉛などを生じ、灰白色の粉を吹いたようになる。希塩酸および希硫酸とは表面に難溶性の塩を生成するため反応しにくい。酸化作用のある硝酸には溶解し、空気中では酢酸にも徐々に溶解する。熱濃水酸化ナトリウムとも徐々に反応する。
![]() 自然界における存在鉛の同位体のうち206Pbは238Uをスタートとするウラン系列、207Pbは235Uをスタートとするアクチニウム系列、208Pbは232Thをスタートとするトリウム系列の最終壊変生成物であるため、天然同位体比は産地により多少異なり、原子量にも変動がある。また放射性同位体の210Pbおよび214Pbはウラン系列、211Pbはアクチニウム系列、212Pbはトリウム系列の中間壊変生成物として定常的に存在する。
工業的用途単体は薬品に対する耐食性が比較的高いため、かつて化学実験室などの流しは鉛板で覆われていた。しかしここに酸などを流すと、廃水基準に抵触するのに充分な濃度の鉛が溶出するため、最近では使用されなくなった。水道管にも用いられ、表面に不溶性の塩基性炭酸鉛Pb3(OH)2(CO3)2を形成するために安全であるといわれたが、近年は使用されなくなってきた。製錬が容易で金属の中では価格は鉄に次いで安く重い金属であるため「重り」だけとしての用途があり、釣具の重り、筋力強化用のウェイトなどに用いられる。鉛は軟らかく紙にこすり付けると線が引けるため、かつては鉛円板が文字を書くために使われていた。ここから「鉛筆」という言葉が生まれた。現在の鉛筆の芯は鉛ではなく炭素(黒鉛)である。各種低融点合金の成分であり、ヒューズおよび”はんだ”などに用いられる。 テトラエチル鉛Pb(C2H5)4はエンジン内のノッキングを防ぐために効果を発揮し、ガソリンに添加されていたが、鉛公害が深刻となったため使用が禁止された。 鉛の特性を最も効果的に利用したものは鉛蓄電池である。これは両極に鉛および鉛の化合物を用いたもので、起電力は約2.1 Vである。希硫酸を電解液に使用した鉛蓄電池は内部抵抗が低く高電流での使用が可能であり、材料の価格が安くリサイクルもし易いため、自動車のバッテリーに広く用いられている。
主な化合物
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1s22s22p63s23p63d104s24p64d104f145s25p65d106s26p2 [Xe]4f145d106s26p2 | ||
201.972159133 |
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202.973390521 |
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203.973043589 |
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204.974481755 |
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205.974465278 |
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206.975896887 |
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207.976652071 |
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208.98109012 |
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209.984188527 |
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210.988736964 |
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211.991897543 |
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213.999805408 |