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性質および化学反応6s電子の準閉殻性から酸化数が-2であるCs2Ptが最近、アルゴン中で白金海綿にセシウムを700℃で2日間反応させることにより合成された。1)Cs2Ptは暗赤色透明な物質であり、金属間化合物ではなくイオン結晶である可能性が高い。 微粉末のものは白金黒と呼ばれ、水素などの気体を吸蔵し原子状にして反応活性を高めるため、触媒能を有する。 元素名は南米の砂白金鉱の産地のRio Pintoからピントの小さな銀Platina del Pintoと呼び、小さな銀を意味するPlatinaがこの元素名の元となった。18世紀中頃の発見当時、融点の高い白金は加工することが困難で歓迎されず、偽銀として捨てられたり、砂利と伴に舗装に用いられることもあった。また密度の高い白金に金をめっきした偽金貨や偽金塊まで登場するに至った。時代が変われば価値観も変わる典型例である。 第5および6周期の8〜10族元素のRu,Rh,Pd,Os,Ir,Ptは白金族元素と呼ばれ、いずれも貴金属として扱われている。しかし第5周期の3元素については錯体形成などの点で鉄族元素との類似性を示すこともある。 参考文献1) A. Karpov, J. Nuss, U. Wedig, and M. Jansen, Angew. Chem. Int. Ed., 42, 4818-4821 (2003)
![]() 自然界における存在北海道中央部各地の蛇紋岩および橄欖岩帯を起源とする河川でかつて採集された所謂「砂白金」と呼ばれていたものは、その大部分は実際の白金の含有率は数%以下で、主成分は白金族元素であるイリジウムとオスミウムを主体とする自然合金のイリドスミンである。ただし夕張および雨龍地区では一部、白金を主成分とするものも採集される。イリドスミンには10〜20%のルテニウムを含むものが多く、白金を主体とするものは10%程度の鉄を含むものが多い。2)また核を構成する元素と考えられるニッケルおよび銅なども少量含まれることから、白金鉱石の起源は外核-マントル境界部分であるかもしれない。 隕鉄中にも7ppm程度含まれ、この含有率は現在採掘されている白金鉱石に匹敵するものである。宇宙存在比では鉛の約2/5程度も存在していることになる。 参考文献2) 弥永芳子,砂白金〜その歴史と科学〜 ![]() 工業的用途シス-ジクロロジアンミン白金(Ⅱ)cis-[PtCl2(NH3)2]はシスプラチンと呼ばれ、効能の高い抗がん剤として注目されたが、正常な細胞も破壊するなど副作用が強いため、これを如何に抑えるかが課題である。 金属の電気抵抗は温度上昇に伴い規則的に変化するため、現在気象台およびアメダス観測所では気温の測定は白金抵抗温度計が用いられている。 主な化合物
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1s22s22p63s23p63d104s24p64d104f145s25p65d96s1 [Xe]4f145d96s1 | ||
187.959395391 |
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189.959931655 |
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190.961676661 |
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191.961038005 |
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192.962987401 |
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193.962680253 |
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194.964791134 |
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195.964951521 |
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196.967340182 |
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197.967892790 |
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199.971440677 |
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201.97574 |