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性質および化学反応イオン化電位は低く、-1.676 V (Al3+/Al)であり、熱力学的には酸化されやすい金属であるといえる。希塩酸とは反応が徐々に激しくなり、希硫酸とはゆっくりと反応して水素を発生して溶解する。濃硝酸とは表面に酸化皮膜を形成し反応が停止し、不動態となる。アルカリ水溶液とも速やかに反応し水素を発生して溶解する両性元素である。 水銀との合金であるアルミニウムアマルガムは空気中で酸化物を生成し、常温で水と反応して水素ガスと水酸化アルミニウムを生成する。高純度アルミニウムはさびにくく、酸との反応も遅いが、軽合金では多くのものがより電位的に貴な銅を含み、局部電池を形成してより錆びやすくなる。 元素名は明礬のラテン語Alumenに由来し、英語の綴りにはAluminium(英)およびAluminum(米)の二通りがある。
自然界における存在酸化アルミニウムの天然結晶はコランダムAl2O3と呼ばれ、モースの硬度計ではダイヤモンドに次いで硬い鉱物で9度と定義されている。コランダムのうち、クロムイオンを含み、赤色のものがルビーであり、チタンなどを含み青色のものをブルーサファイアと呼び、透明度が高く良質のものは宝石にされる。 アルミナの融解電解に用いられる氷晶石Na3[AlF6]は天然のものはグリーンランドのみで産出し資源量も少ないため、工業的には合成のものが用いられる。軽元素であるフッ素を多量に含む氷晶石は屈折率が低く、水と同程度の1.339であり、水に入れると肉眼で見難くなる。グリーンランドで発見された当時、融けない氷の層があるといわれた程で、名称もここから付けられた。 アルミニウムは多くの生物が生存しうるpH条件下では水に不溶性の化学種になりやすいため、多量に存在する元素にも拘らず生物にとって必須元素になりにくく、むしろ毒性を示すことがある。アルツハイマー患者の脳に多量のアルミニウムが蓄積されていることから、アルミニウムおよびその化合物はアルツハイマー病の原因になると言われているが、詳しいことはよく判っていない。アルミニウムが蓄積したことが原因なのか、この病気の状態ではアルミニウムが蓄積しやすくなるのかいずれかであろう。
工業的用途単体を初めて単離したのはデンマークのH.C.Oerstedであり、1825年に無水塩化アルミニウムをカリウムアマルガムで還元することにより得ている。その後ナトリウムで還元することにより金属が生産されていたが、当時アルミニウム地金は金よりも高価であったという。アルミナの融解電解による工業的生産法を開発したのはアメリカのC.M.HallおよびフランスのP.L.T.Heroult であり、それぞれ独立に同時期の1886年に発明し、さらに不思議なことに2人は同年(1863年)に生まれ同年(1914年)に没している。 アルミニウムは単独では軟らかく、強度を上げるため少量の銅、亜鉛およびマグネシウムなどを加えた軽合金として、航空機、自動車、自転車のフレームおよび電車などの構造材料に用いられる。また純アルミニウムとしてアルミ箔、アルミ缶、高圧送電線および1円硬貨などに用いられ、金属としての生産量は鉄に次いで2番目である。
主な化合物
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1s22s22p63s23p1 [Ne]3s23p1 | ||
25.986891692 |
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26.981538627 |
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27.981910306 |
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28.980445046 |