性質および化学反応
銀灰色の金属元素で化学的性質はニオブに類似し、原子半径も近いため分離が難しく、発見されてから数十年はニオブもタンタルも純粋な状態のものは得られていなかった。空気中でさびにくく、塩酸および希硫酸とはほとんど反応せず、硝酸とフッ化水素酸との混合物と徐々に反応してフルオロ錯体を生成する。
タンタルの単体
自然界における存在
自然界では常にニオブ鉱物中の一部または大部分を置換して存在し、コルンブ石(Fe,Mn)(Nb,Ta)2O6が主な鉱物である。コルンブ石の内、タンタルの含量の方が多いものはタンタル石(Fe,Mn)(Ta,Nb)2O6と呼ばれる。2価の金属イオンサイトの鉄よりマンガンの多いものはマンガンタンタル石(Mn,Fe)(Ta,Nb)2O6と呼ばれる。
マンガンタンタル石 アフガニスタン産
工業的用途
金属は耐食性、耐熱性が高いため、セラミック合成用などの坩堝に用いられる。また人体内での耐食性も高く、外科手術用の材料に用いられる。
主な化合物
化合物中ではタンタル原子は-1〜+5のあらゆる酸化数をとるが+5が安定である。
Ta2O5 |
酸化タンタル(Ⅴ) |
Tantalum(Ⅴ) Oxide |
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