性質および化学反応単体は淡黄色を帯びた極めて反応性の強い気体である。最も陰性の強い元素であるため、ほとんどの元素と常温で反応してフッ化物を形成し、キセノンでさえ、化合物を形成する。水とは激しく反応し酸素および二フッ化酸素などを発生する。 フッ素の単体はその反応性のため、単離することが困難であるが、白金容器を用いてフッ化水素カリウムKHF2の融解電解により陽極に得られる。またヘキサフルオロマンガン酸カリウムに強いルイス酸である五フッ化アンチモンを反応させると、生成する四フッ化マンガンは自発的に分解してフッ素を生成する。 安定な1価の陰イオンを形成し、フッ化物イオンF-は半径が小さく各種元素との親和力が強い。そのため濃フッ化水素水溶液はガラスを溶解する作用を持つ。またフッ化物イオンはヒドロキシル基とたやすく置換し、またカルシウムイオンと結合し不溶性のフッ化カルシウムを生成するなど、体内での生理作用を阻害するため、フッ化ナトリウムなどは強い毒性を有する。特にフッ化水素は弱酸(pKa = 3.17)であるが、皮膚に接触し内部に浸透すると激しい痛みと伴に組織が破壊され、極めて危険である。
自然界における存在南極周辺海域に生息するオキアミはタンパク資源として注目されたことがあるが、特に甲殻部分に多量のフッ素を含有し肉部にも高濃度含まれることから、食用としては不適当という警告が出されている。 工業的用途微量のフッ化物イオンは骨や歯を形成するヒドロキシアパタイトCa5(OH)(PO4)3中のヒドロキシル基の一部をフッ素に置換し、歯を丈夫にするといわれ、飲料水にフッ化ナトリウムが添加されたり、歯磨き粉にモノフルオロリン酸ナトリウムNa2PO3Fが添加されているものがあるが、許容濃度を超えないようにする注意が必要である。 テトラフルオロエチレンを付加重合させることにより製造されるテフロン樹脂は、耐熱性が高く鍋およびフライパンなどの表面加工に用いられる。クロロフルオロカーボンCCl3Fはフロンと呼ばれ、腐食性が少なく安定な物質であるため、エアコンおよび冷蔵庫などの冷媒として広く用いられてきたが、排出されるフロンガスはオゾン層破壊の原因となるとされ、1987年に国連環境計画プロジェクトUNEPでオゾン層保護条約議定書が採択され、使用が規制された。 トリフルオロメタンスルホン酸CF3SO3Hは超強酸の一種であるが、テフロン樹脂にフルオロスルホ基が結合した、Nafion樹脂は耐強塩基性および耐熱性をもち、電解による水酸化ナトリウム製造時のイオン交換膜および、燃料電池の固体電解質などに用いられる。 主な化合物
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1s22s22p5 [He]2s22p5 | ||
17.002095237 |
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18.000937956 |
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18.998403224 |
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19.999981315 |