性質および化学反応
銀白色の極めて軟らかい金属元素である。カリウムに類似するが反応性はさらに激しく、空気に触れると激しく発火し、水と接触すると爆発的に反応する。液体アンモニアに容易く溶解し、濃青色溶液を生ずる。
淡赤紫色の炎色反応を示し、ルビー色のスペクトルから元素名が決定された。
ルビジウムの単体
自然界における存在
長石などのカリウム鉱物中を置換したり、海水中に溶存するなど広く分布しているが、ルビジウム単独の鉱物はほとんど存在しない。リチア雲母(K,Rb)(Li,Al)4(Si,Al)4O10(OH,F)2の中にはRb2Oとして数%含有するものがあり、これが資源として用いられる。
天然放射性同位体である87Rbの絶対存在量は多いが、放射線エネルギーが小さく、自然放射線のうち87Rbの占める割合は40K、トリウムおよびウランなどと比較すると小さい。岩石中の87Rbの含有量とそれが壊変して生成する87Srの含有量から岩石の年代を測定することができる。これをルビジウム・ストロンチウム法といい、数十億年という長い年代の測定に適している。
87Rbのβ-壊変 |
87Rb → 87Sr + e- +  |
Q = +282.62keV |
リチア雲母 ブラジル産
工業的用途
真空管の残留酸素を除くゲッターおよびルビジウム発振器に用いられる。炭酸ルビジウムは光学ガラスの添加剤に用いられる。
主な化合物
化合物中ではルビジウムは常に1価の陽イオンRb+として存在する。
RbOH |
水酸化ルビジウム |
Rubidium Hydroxide |
Rb2CO3 |
炭酸ルビジウム |
Rubidium Carbonate |
RbCl |
塩化ルビジウム |
Rubidium Chloride |
Rb2SO4 |
硫酸ルビジウム |
Rubidium Sulfate |
RbNO3 |
硝酸ルビジウム |
Rubidium Nitrate |
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