性質および化学反応
銀白色の金属元素で乾燥した空気中では表面に薄い酸化皮膜を形成し錆は進行しにくい。希塩酸および希硫酸には速やかに溶解し水素および無色の3価の陽イオンY3+を生成する。
イットリウムの単体
自然界における存在
リン酸塩鉱物として存在することが多く、主要な鉱物としてはゼノタイムYPO4があり、主成分をなし、イットリウムの一部は重ランタノイド(Gd〜Lu)で置換され共存している。火成岩中では主に角閃石中のカルシウムイオンの一部を置換して存在している。
ゼノタイム ブラジル産
工業的用途
イットリウム鉄ガーネットY3Fe2(FeO4)3は透明かつ電導性が低く強磁性体としては珍しい性質を示す磁性材料として用いられる。イットリウムアルミニウムガーネットY3Al2(AlO4)3はYAGレーザーの素子として用いられる。
主な化合物
化合物中ではイットリウム原子の酸化数は+3のみが安定である。
Y2O3 |
酸化イットリウム |
Yttrium Oxide |
Y2(SO4)3·8H2O |
硫酸イットリウム八水和物 |
Yttrium Sulfate Octahydrate |
Y(NO3)3·6H2O |
硝酸イットリウム六水和物 |
Yttrium Nitrate Hexahydrate |
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