性質および化学反応
銀白色の金属元素であり、希塩酸および希硫酸にたやすく溶解し淡黄色の3価の陽イオンSm3+を生成するが、反応初期に一瞬赤色の2価の陽イオンSm2+を生成するのが観測される。
薄い酸との反応 |
Sm + 2H+ → Sm2+ + H2 |
2価イオンの酸化 |
2Sm2+ + 2H+ → 2Sm3+ + H2 |
サマリウムの単体
自然界における存在
リン酸塩としてモナズ石(La,Ce)PO4などの希土類鉱物中に他の軽ランタノイド元素(La〜Gd)と伴に存在する。2価の陽イオンを形成する傾向があるため、アルカリ土類鉱物である蛍石、灰長石、ストロンチウムおよびバリウム鉱物中の一部を置換していることもある。
工業的用途
軽希土類とコバルトとの金属間化合物LnCo5は飽和磁化が強くキュリー温度も高いため、磁性材料として優れ、この中でも特に優れているSmCo5は強力磁石の材料として用いられる。
主な化合物
化合物中ではサマリウム原子の酸化数は+2および+3が存在するが+2は不安定である。
SmCl2 |
塩化サマリウム(U) |
Samarium(U) Chloride |
Sm2O3 |
酸化サマリウム(V) |
Samarium(V) Oxide |
Sm2(SO4)3·8H2O |
硫酸サマリウム(V)八水和物 |
Samarium(V) Sulfate Octahydrate |
硫酸サマリウム(V)八水和物
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