性質および化学反応
青みを帯びた銀灰色の金属元素で、空気中では表面に酸化皮膜をつくりやすい。希塩酸および希硫酸とは反応しにくいが、フッ化水素酸および硝酸とよく反応する。
バナジウムの単体
自然界における存在
バナジン酸塩として存在することが多く、燐灰石と同じ結晶構造であるバナジン鉛鉱Pb5Cl(VO4)3などがある。火成岩中では主に3価の陽イオンとして存在し、磁鉄鉱の3価の鉄イオンサイトの一部を置換して存在している。
バナジン鉛鉱 モロッコ産
工業的用途
バナジウムは酸化されやすい金属で、単独で用いられることはほとんどないが、鋼鉄に添加し高張力合金として、工具および機械部品として用いられる。酸化バナジウム(Ⅴ)は二酸化硫黄から硫酸を製造する際の触媒として用いられる。
主な化合物
化合物中ではバナジウム原子の酸化数は+2,+4,+5をとることが多い。
V2O5 |
酸化バナジウム(Ⅴ) |
Vanadium(Ⅴ) Oxide |
VOSO4 |
硫酸バナジル(Ⅳ) |
Vanadyl(Ⅳ) Sulfate |
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