2007年度の第2ステージは,リーグ覇者にとっては本拠地で試合をする以外には大きなアドバンテージもなく,5試合で先に3勝したチームが日本シリーズに進出するというルールで行われ, 第1ステージ勝者の中日がセ・リーグ優勝の巨人に3連勝して日本シリーズに進出し, そのまま日本シリーズも制覇して,リーグ優勝しなかったチームの初の日本一となりました.
2008年度からは第2ステージでリーグ覇者に1勝のアドバンテージが与えられ,6試合で先に4勝したチーム(勝敗が並んだときはリーグ覇者)が日本シリーズ進出することに改められ, 2008,2009年度ともにセ・リーグ優勝の巨人がCSを勝ち抜いて 日本シリーズに進出することになりました.
ところで,リーグ覇者にとって,第2ステージでのこの1勝のアドバンテージはどれくらい有利なのかを考えてみました. 簡単のため,引き分けはないものとし,各試合の勝敗が確率的に独立であると仮定します. 第1ステージ勝者がリーグ覇者と1試合対戦して勝つ確率を p としたとき, 第1ステージ勝者が第2ステージで勝者となる,すなわち6試合で4勝する確率 P は,表が出る確率が p であるコインを 6回投げて4回以上表が出る確率と等しく,二項分布の公式を使って
p=0.5 (50%) のとき第1ステージ勝者が第2ステージで勝者になる確率は 約34.4% です. 第1ステージ勝者が第2ステージで勝者になる確率が50%を超えるのは p≒0.579 (57.9%)を超えるときです. これは公式戦の直接対決で14勝10敗(勝率0.583)以上を残す実力があることに相当します。 第2ステージでは,リーグ覇者にとって,本拠地で試合ができるので勝つ確率は高くなり, しかも引き分けは限りなく勝ちに近いものと考えられるのでかなり有利になります. ということで,
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