2人の場合
1回めで決着がつくのは確率6/9=2/3で,あいこになるのはa2=3/9=1/3です.
1回めがあいこのとき,2回目で決着がつくのはやはり確率2/3で,あいこになるのは
1/3です.以下同様に考えると,決着がつくまでの平均回数b2は
b2=2/3×1+1/3×2/3×2+(1/3)2×2/3×3+(1/3)3×2/3×4+…
で求まります.この和は(高校数学の数列でよく出る形であり)
1/3×b2= 1/3×2/3×1+(1/3)2×2/3×2+(1/3)3×2/3×3+…
として,上下そろえてひくと
2/3×b2=2/3+1/3×2/3+(1/3)2×2/3+(1/3)3×2/3+…
=(2/3)/(1-1/3)=1 (等比級数の和の公式から)
∴ b2=3/2=1.5
3人の場合
1回めで誰か1人が勝つ(決着がつく)のは確率9/27=1/3で,
2人が勝つのも9/27=1/3で,あいこになるのもa3=9/27=1/3です.
2人残った場合,そこから決着がつくまでには平均b2回かかり,
3人があいこになった場合,そこから決着がつくまでには平均b3回かかると考えられます.
よって,
b3=1/3+1/3×(1+b2)+1/3×(1+b3)
が成り立ち,b2=3/2 を代入して解くと,b3=9/4=2.25 が得られます.
n人の場合
n人でじゃんけんをしたとき,すべての出し方は3n通りです.
そのうち,あいこにならないのは場にグー・チョキ・パーのうちのどれか2種類しか出ていないときです.
その2種類(3通りある)が決まったとき,ひとりひとりの出し方を考えると2n-2通りあります.
よって,あいこにならない確率は3×(2n-2)/3n=(2n-2)/3n-1となるので,
an=1-(2n-2)/3n-1
となります.また,3人の場合と同様の考え方により,bnはb2,b3,…,bn-1の式で表すことができ,
いもづる式にその値を計算することができます.結果を表およびグラフにすると次のようになります.
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![]() n人でじゃんけんをしたとき 1回めがあいこになる確率an
![]() n人でじゃんけんをしたとき 誰か1人が勝ち残るまでの平均回数bn |
さらに,じゃんけんをする回数を制限したとき,その回数までに誰か1人が勝ち残る (決着がついている)確率の推移を調べると次のようなグラフになります(割と簡単に計算できます)。 例えば,4人でじゃんけんをするとき,5回までに決着がついている確率は約89.1%, 10回までに決着がついている確率は約99.6%です.
じゃんけんをするときは急いでいるときが多いですので, せいぜい10回ぐらいで決着してほしいものですが, このグラフから見ると5人以下なら全員でじゃんけんして決まるのは適していると思われます. 6人でもまあ許せるところですが,7人以上なら全員でじゃんけんするのは 適していないように思われます.