性質および化学反応
米国のG.T.Seaborgらにより、239Puに原子炉内で長時間中性子を照射することにより95番元素が生成していることをが見出され、中性子を2個吸収して生じた241Puがβ壊変して生じたものであった。周期表の上に位置するユウロピウムがヨーロッパに由来することに対し、アメリカで発見された元素であることから命名された。
グラムオーダーで得られている同位体は241Amであり、最も半減期の長い243Amはマクロ量では得られていない。半減期の短い同位体はマクロ量になると放射線エネルギーにより物質自身が加熱されるなど化学的性質にも少なからぬ影響を及ぼすようになるため、化学的性質の研究にはより半減期の長い同位体が望ましいことはいうまでもない。化学的性質はユウロピウムに類似することが予想されるが、実際にはユウロピウムと異なり、2価の陽イオンを生成する傾向は弱く3価および6価が安定である。
放射性元素
自然界における存在
239Puの中性子多重捕獲により241Am生成の可能性は考えられるが、天然における存在は確認されていない。
工業的用途
火災報知機の煙感知器のα線源として用いられる。
主な化合物
化合物中ではアメリシウム原子の酸化数は+3および+4をとる。
AmF3 |
フッ化アメリシウム(Ⅲ) |
Americium(Ⅲ) Fluoride |
AmO2 |
酸化アメリシウム(Ⅳ) |
Americium(Ⅳ) Oxide |
電子配置 |
1s22s22p63s23p63d104s24p64d104f145s25p65d105f76s26p67s2 [Rn]5f77s2 |
第一イオン化エネルギー |
578 kJ/mol |
6.0 eV |
電子親和力 |
kJ/mol |
eV |
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密度 |
13.67 g/cm3 (20℃) |
結晶格子 |
複六方最密充填格子 a=3.474Å, c=11.25Å |
融点 |
1170℃ |
沸点 |
2600℃ |
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地殻中存在比 |
ppm |
海水中存在比 |
ppm |
大気中存在比 |
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宇宙存在比(Si=106) |
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同位体 |
核種 |
相対質量 |
スピンパリティー |
半減期 |
天然存在比 |
壊変 |
240Am |
240.055300179 |
(3-) |
2.12 d |
- |
EC, α1.9×10-4 |
241Am |
241.056829144 |
5/2- |
432.2 yr |
- |
α, SF4.3×10-10 |
242mAm |
242.059601365 |
5- |
141 yr |
- |
IT99.541, α0.459, SF<4.7×10-9 |
243Am |
243.061381080 |
5/2- |
7370 yr |
- |
α, SF3.7×10-9 |
周期表TOP
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