性質および化学反応

　銀白色の金属元素で、乾燥した空気中では比較的安定であるが、湿気により急速に酸化されやすく、薄い酸にはたやすく溶解し淡桃色の３価の陽イオンEr³⁺を生成する。-254℃のキュリー点以下では強磁性を示す。

エルビウムの単体

自然界における存在

　ゼノタイムYPO₄中に、重ランタノイド元素(Gd～Lu)が互いに共存している。

工業的用途

　

主な化合物

化合物中ではエルビウム原子の酸化数は+3が安定である。

Er₂O₃	酸化エルビウム	Erbium Oxide
Er₂(SO₄)₃·8H₂O	硫酸エルビウム八水和物	Erbium Sulfate Octahydrate

電子配置	1s²2s²2p⁶3s²3p⁶3d¹⁰4s²4p⁶4d¹⁰4f¹²5s²5p⁶6s² [Xe]4f¹²6s²
第一イオン化エネルギー	589.2 kJ/mol	6.108 eV
電子親和力	kJ/mol	eV

密度	9.066 g/cm³ (25℃)
結晶格子	六方最密充填格子(hcp)　a=3.559Å, c=5.587Å
熱容量Cp（比熱）25℃	28.12 J/mol K (0.0402 cal/g K)
融点	1497℃
沸点	2900℃

地殻中存在比	2.8 ppm
海水中存在比	0.8×10^-3 ppb
大気中存在比	-
宇宙存在比(Si=10⁶)	0.2508

同位体
核種	相対質量	スピンパリティー	半減期	天然存在比	壊変
¹⁶⁰Er	159.929083292	0⁺	1.191 d	-	EC
¹⁶²Er	161.928778264	0⁺	＞1.4×10¹⁴ yr	0.14％	(α, 2β⁺)
¹⁶⁴Er	163.929200229	0⁺	stable	1.61％	-
¹⁶⁶Er	165.930293061	0⁺	stable	33.61％	-
¹⁶⁷Er	166.932048159	7/2⁺	stable	22.93％	-
¹⁶⁸Er	167.932370224	0⁺	stable	26.78％	-
¹⁶⁹Er	168.934590364	1/2^-	9.40 d	-	β^-
¹⁷⁰Er	169.935464312	0⁺	stable	14.93％	-
¹⁷²Er	171.939356113	0⁺	2.05 d	-	β^-

Er

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