性質および化学反応
銀白色の金属元素で、軟らかくナイフで容易に切断され、直径1 cm程度の棒は手で容易に曲げられ、キシミ音を発する。鮮やか藍色の炎色反応を示し、1863年にドイツのF.ReichおよびT.Richterによりスペクトルの輝線からこの元素を発見し、元素名はこの色Indigoに由来する。塩酸および希硫酸に徐々に溶解するが、アルカリとはほとんど反応しない。
インジウムの単体
自然界における存在
独自の鉱物はほとんど知られず、閃亜鉛鉱などに微量含まれ、亜鉛製錬の際回収されている。北海道の豊羽鉱山の閃亜鉛鉱はインジウム含量が高く、最近まで世界有数のインジウム鉱床として稼動していたが、採算が取れず2006年に閉山された。
工業的用途
液晶ディスプレーの導線には透明かつ電導性を有する酸化インジウムが用いられる。金属は軟質で摩擦計数が小さいため、軸受内面のめっきおよびパッキング材料に用いられる。スズおよび鉛合金に添加し、低融点合金としてヒューズおよび接合用に用いられる。
主な化合物
In2O3 |
酸化インジウム |
Indium Oxide |
InP |
リン化インジウム |
Indium Phosphide |
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