性質および化学反応希塩酸および希硫酸とはほとんど反応しないが、希硝酸と反応して溶解し一酸化窒素を発生し、濃硝酸とは反応が次第に激しくなり、二酸化窒素を発生する。熱濃硫酸と反応すると二酸化硫黄を発生して硫酸銅(Ⅱ)になる。熱濃塩酸とも徐々に反応してジクロロ銅(Ⅰ)酸イオンを生成する。ジクロロ銅(Ⅰ)酸イオンを含む水溶液を希釈すると塩化銅(Ⅰ)の白色沈殿を生成する。1価の陽イオンCu+は水溶液中で不安定で不均化しやすい。 空気の存在下でシアン化ナトリウム水溶液およびアンモニア水と徐々に反応して錯イオンを形成して溶解する。銅(Ⅱ)イオンCu2+の水溶液にアンモニア水を加えると青白色の水酸化銅を沈殿し、さらに過剰に加えると濃青紫色のテトラアンミン銅イオンを生成して沈殿は溶解する。 電気および熱の伝導度は室温では銀に次いで高い。(抵抗率:1.55×10-8Ω·m, 熱伝導率:403 W/m·K, 0℃)
自然界における存在黄銅鉱などが風化し酸化されると二次鉱物として胆礬CuSO4·5H2Oを生成し、この中に含まれる銅イオンが、同時に生成する緑礬FeSO4·7H2Oによる還元作用を受け、赤銅鉱Cu2Oおよび自然銅となり、また石灰岩および二酸化炭素と反応し藍銅鉱Cu2(OH)2CO3および孔雀石Cu3(OH)2(CO3)2を生成する。 工業的用途銅族元素(金,銀,銅)は延性および展性に富み美しい光沢を有するため貨幣金属と呼ばれ、これらの合金は貨幣およびメダルの材料として広く用いられる。 わが国はかつて世界有数の産銅国であり、銅鉱石の露頭の発見に始まり、元禄4年(1691年)に開坑された別子銅山は江戸時代から明治時代にかけて、日本の重要輸出物品としての銅を供給し続け近代化に貢献した。海面下1000 mまで掘り進んだ坑道からは坑内水の噴出が多く、胆礬(硫酸銅)を含んだこの水は一旦、箱桶の中を流しながら屑鉄と反応させ、イオン化傾向の差を利用し沈殿銅を採集した後、沈殿池で処理して排出された。
主な化合物
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1s22s22p63s23p63d104s1 [Ar]3d104s1 | ||
60.933457821 |
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62.929597474 |
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63.929764183 |
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64.927789485 |
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66.927730314 |